京都府指定文化財・旧松村家住宅に関する一連の事件ついて。

京都府福知山市に大正時代の地方の有力者の邸宅として貴重な
「旧松村家住宅」があります。母屋・御殿・撞球場・洋館からなるこの邸宅は
松村組の創始者、松村雄吉によって作られたもので、大正時代の有力者の
邸宅の姿を残す貴重な近代建築として、京都府の指定文化財に指定されています。
それに伴い不定期で一般公開もされ、地元でも誇るべき文化財となっていました。

本来ならば後世まで手厚く保護されるべき邸宅なのですが、
昨年、悪質な行為により盗難・破損・取り壊し1歩手前という
危機にあいました。そこで、この問題を広く知ってもらうために
事件の顛末を新聞記事を参考に上げてみることにします。

1997年
旧松村家住宅が京都府指定文化財に指定される。
それに伴い、不定期で一般公開が行われる。

2005年5月
所有者であった松村組が民事再生を申請して倒産。所有権を手放す。
それにより所有権は舞鶴市内の不動産業者に移り公開停止。

2006年9月10日
旧松村邸の御殿の鬼瓦や銅版のスレート、
室内の壁や床柱などが何者かにより盗まれる。


(2006年9月11日付 両丹日日新聞より)

これ以前にも庭園の燈篭が盗まれる事件があり、
地元住民はさらに見回りを強化。

2006年9月15日

福知山市長・高日音彦市長が市議会答弁で
旧松村家住宅について「市が購入して管理することは出来ない」と発言。
今後も市が買い取って管理するつもりは無いとの意思を示す。

2006年11月1日

旧松村家住宅の所有会社の代表取締役が詐欺容疑で逮捕。
現所有者である不動産会社の代表取締役が
松村家住宅の指定文化財解除が出来るよう装い、
建物を取り壊し更地にして売却する仮契約を結んでいた。
このことにより、京都市内の解体業者が建設リサイクル法に基づく届出をし、
11月3日には解体作業が始まる恐れがあった。
しかし、担当職員のチェックにより届出の物件が府指定文化財の
松村家住宅であることが判明。書類を返却した。
(不起訴後、所有者は解体業者との関与を否定。
警告文にて建物の解体・庭石等の持ち出しを禁じている。)

2006年11月21日

京都市伏見区の土木建設業者を旧松村家住宅を損壊したとして逮捕。

以上が旧松村家住宅に関する一連の事件です。
逮捕された現所有者の代表取締役は
嫌疑不十分で11月21日に不起訴処分になったそうです。

次のページに現在の松村家住宅の様子を紹介します。

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