机上の洋館

世の中には、「食玩」というおまけ付きのお菓子(本当はお菓子がオマケかも)
というものがあり、以前から買ってたのですが、最近、近代建築をモデルにした
食玩が発売されました。
もちろんはまってしまい、コンプすべく買い続けております。
ここでは、それらを実物の建物と比較品しながら紹介しようと思います。

向かって左に模型の写真・右に似たような実物の建物を並べています。
実物の方はあくまで今のところコレが一番似ているというものなので
参考程度と考えてください。
さらに似ているものが見つかれば更新します。

 

 

@擬洋風っぽい写真館

 

トミーテック社の「街並みコレクション」写真館二種です。
下見板張りと思われる壁面に、梁や柱を見せるつくり。
さらに、和風の瓦屋根を乗せた擬洋風っぽいデザインです。
右は京都府加悦町の伊藤医院。外観はだいぶ違うように見えますが、
上記の特徴は一致していると思います。
ただ、模型の屋根は寄せ棟ですが、伊藤医院は入母屋屋根です。

 

A倉庫のような煉瓦の郵便局

 

上と同じく、トミーテック社の「街並みコレクション」煉瓦の郵便局二種です。
まるで倉庫のようなあまり装飾の無い外観ですね。屋根も土蔵のような和風の瓦屋根だし。
右は、東舞鶴の旧海軍の赤煉瓦倉庫。東舞鶴には明治期と大正期の煉瓦倉庫があり
写真は大正期のもの。明治期より装飾がありません。
模型外観は似ているように見えますが、いまいち納得がいかない。
もっと近いものがあるはず・・・

 

B石張り風の時計店

 

 

またまた同じく、トミーテック社の「街並みコレクション」時計店です。
商品の説明では、石張りとありましたが、屋根などを見ると、
恐らく、洗い出しの擬石モルタル塗りだと思われます。
要するに、本当ならば石張りの本格的洋館にしたいところなのですが、
石張りはかなり高価になるので、木造の建物にモルタルで石の壁ように
見せかけるわけです。つまり、一見石造のように見えても実は木造なんですね。
右の写真は、京都市の東大路二条にある商店。こちらも本当は木造です。
壁のモルタルの色が違うので右のほうは石っぽく見えませんが
ちょっとでも重厚そうに見せようとする努力が見えます。

 

C看板建築の郵便局

 

こちらはハピネット社の「昭和情景博物館」看板建築の郵便局。
看板建築というのは、日本建築にファザード部分だけ洋風の壁をとりつける
建物で、東大の藤森先生が提唱されました。
これも全部本格的洋館にするとお金がかかるので、目に付く部分のみおしゃれにしようと
言う作戦ですね。右は、彦根市の理容店ですが、デザインはまったく違っていても、
れっきとした看板建築です。看板建築は商店に多いですね。

 

D下見板張り、郡役所みたいな洋館医院。

 

待望のトミーテック社の「街並みコレクション」の第二弾の洋館の医院です。
この洋館は、下見板張り・日本瓦の屋根というデザインで
小さな町とかでも時々見かけるタイプのものです。
右の写真は、亀岡市の佐伯郵便局。
板壁の色がピンクですが、デザイン等そっくり。屋根も日本瓦です。
佐伯郵便局は昭和初期の建築ですが、このタイプの建物は
明治・大正・昭和を通じてよく建てられています。
このタイプは郡役所にも多いですが、写真を撮ってないので・・・

 

E小さな洋館付き、文化住宅。

 

トミーテック社「街並みコレクション」第二弾の洋館付き文化住宅です。
明治期、資産家や政治家、華族といった地位のある人たちは
文明開化以降こぞって自邸に洋館を建て、洋風化を目指しました。
しかし、やはり和風建築のほうが馴染むのか、普段の生活には
日本建築の母屋を、接客用には洋館を建てました。
その後、洋風の生活が一般にも広がるにつれ、日本建築+洋館のスタイル
の住宅も広がりました。しかし、本格的な洋館を建てるお金はない。
というわけで、普段住まいの和風の母屋に接客用として小さな洋館を
付属させるタイプの住宅が流行しました。それが上の写真の建物です。
右の写真は、亀岡市の文化住宅ですが、写っている洋館の奥、
木に隠れているところに和風の母屋があります。
こういった住宅は、戦前から続くの住宅街とかによく見られます。
その後、この付属している洋館は、さらに母屋の中にとりこまれ
洋風の部屋のみに変化します。これが応接室です。

F角地に建つオフィスビル

 

トミーテック社「街並みコレクション」第4弾の日通ビルです。
大正から昭和初期、企業のオフィスビルとしてこういったビルが
多く建てられました。右の写真は、旧大阪商船神戸ビル。
模型とでは迫力が違いすぎますが(笑)角を丸くし、玄関を設け、
てっぺんには飾りをを設けるスタイルは模型と同一です。
あとは、建物の規模とデザインの力の入れ方の違いですかね。

G古典様式の銀行

 

トミーテック社「街並みコレクション」第5弾の地方銀行です。
壁面に列柱を設けた重厚な古典様式の銀行は、大正から昭和にかけて
日本中で多く作られました。現在もあちこちに現存しており、
現役で使用されているものも多く残ってますね。
右の建物は、小樽にある旧銀行ですが、ご覧の通り
重厚な古典様式になっております。

 

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